代表・国際試合

我々は日本代表を応援すべきか

投稿日:2019年1月2日 更新日:

※本ブログは2018年6月24日にはてなブログに投稿されたものです

こんにちは。3時キックオフなど気にせず観戦している私です。眠いです。

今日も日本代表についてです。

今日は少し真面目に話します。

応援されない代表

W杯初出場の時から日本代表のワールドカップでの立ち位置はさほど変わっていない。常に最下位予想、よくて3位予想がされていた。少しサッカーを知っている人なら4年に一度味わう苦い予想、そしてほんの少しの期待がW杯である。

実際ベスト4などと目標は掲げつつ、苦しい闘いを演じてグループステージを突破できるかできないかというのが日本代表の定位置である。

しかし勝つだろう、というのと勝って欲しい、は別物である。例えどれだけグループに強豪がいようと、コアなサッカーファンのみならず日本人は懸命に応援した。いつだって苦しい闘いになることは誰もがわかっていた。だがそれでも声を枯らした。

もちろん勝利を願ってはいたが、個人的には勝利より”頑張って欲しい”というのが日本人の心情として正しいのではなかったかと思う。高い技術よりも懸命に闘う姿を求めたのではないか。その姿の向こうにある結果を。

極論ではあるが、世界の美技を見るオリンピックより自分の子供が出る幼稚園の運動会を見る親の気持ちに近いのではないかと思うのだ。

ところが今回の大会は風向きが違った。おそらく日本サッカー史上初めて応援されない、または素直に応援できない代表が出場した。

発端は言うまでもなくハリルホジッチ監督の解任である。コミュニケーション不足という不可解な理由で大会直前にクビを宣告。しかし実際の理由として一部主力選手の造反やスポンサーの圧力、視聴率、親善試合の結果などあまりにも常軌を逸したものが噴出した。

また解任の際に理由を明確に伝えなかったこと、ハリル氏や選手との主張の食い違い、海外の先端とはかけ離れた「オールジャパン」、そして惨敗した「自分たちのサッカー」の再登場には最早言葉もない。

当然、田嶋会長を筆頭に協会が行ったビジョンなき決断に批判が殺到した。

「この4年はなんだったんだ」

「ハリルでなければ予選敗退もありえた」

「しっかりと公式戦では結果を残している」

「大して貢献していない選手が何を偉そうに」

「W杯後に日本サッカーが得られるものは?」

断行された解任劇。反乱分子とされた一部主力にはまことしやかに本田圭佑や香川真司の名が囁かれた。またキャプテンの長谷部誠もこの解任に肯定的なコメントを残した。

ハリル政権では招集外もあった本田や香川が当然のごとく後任の西野朗体制では選出されたことも不信感に拍車をかけた。

「忖度ジャパン」「本田メンバー」。 世相を絡めたヤジが飛んだ。

「こんな無茶苦茶な協会が主導する日本サッカーを応援できるか」程度の差はあれど全員が素直な思いで声援を送れなくなっていた。

新体制初戦となった壮行試合は完敗。スタジアムは辛辣なブーイングに包まれ、SNS上では田嶋会長の辞任を求める声が相次いだ。

「日本は勝つべきでない」

「惨敗して気づくべきだ」

過激な声も上がった。

「成功してはこの理不尽が正当化される」

「田嶋を下ろすには敗退するしかない」

「負けて欲しいとまでは思わないが…」

複雑な気持ちを持つ者も多かった。

結局サポーターの気持ちは一つにならないまま開幕を迎えた。

亡霊

「自分たちのサッカー」

4年前ブラジルに捨ててきたはずの言葉が再びその姿を現す。通用しないことは証明されたはずだった。世界のトレンドから取り残されたパスを優雅に回す遅攻。

初戦のコロンビアが4年前惨敗した相手だったこともマスコミにはわかりやすいシチュエーションの盛り立て要素と化した。

「2014年のリベンジマッチ」

そんな言葉が躍った。

コロンビアも目立つ新戦力の台頭がダビンソン・サンチェス程度しかいないとはいえ、日本の主力の衰えの方が色濃く感じられた。中島翔也らブレイク中の若手はメンバーにすら入らなかった。

ザッケローニの亡霊を追うことの末路。それは誰の目にも明らかだった。リベンジマッチどころか大敗の再現が危惧された。

迎えたコロンビア戦。スタメンは直前の親善試合で好連携を見せた香川真司と乾貴士。右には高い献身性と走力を併せ持つ原口元気。DFラインに槙野智章ではなく昌子源が起用されたこと以外はおおむね予想通りの先発メンバーだった。海外組が10人、しかも唯一の国内組は人材不足のCBのポジションだ。

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スタメン。国内組は昌子源だけ

開始早々にこの試合最大の転機が訪れる。

前半3分、中盤のボールを素早く大迫勇也に預ける。大迫はダビンソン・サンチェスとの競り合いを制しエリア内に侵入。左足のシュートはダビド・オスピナに弾かれたが、こぼれ球に香川が反応。無人のゴールに放たれたシュートはカルロス・サンチェスが完全なハンドでブロック。主審はレッドカードを掲げPKスポットを指さした。

香川がこれを冷静に沈め先制する。

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後ろに枚数はいたコロンビア。ダビンソン・サンチェスはリトリートしていれば良かったが…

しかしその後は自力で上回るコロンビアが徐々に盛り返していく。ファルカオの嗅覚が日本を脅かす。日本もカウンターを発動するが決めきれない。11vs10とは思えない拮抗した試合になる。

予測ではあるがコロンビア同様日本にとっても予想外の展開だったのだろう。行くか引くかの判断がチームとしてバラバラだった。

39分、キンテーロの壁の下を通す絶妙のFKでコロンビアが同点に追いつく。FKにつながったファールは厳しい判定だったが、その競り合いを生んでしまった長友のクリアミス、そして川島のまずい対応と二つも甘さを見せれば世界の強豪は見逃してはくれない。同点でHTを迎えた。

しかし後半に入ると徐々に日本がペースをつかみだす。コロンビアのスタミナ切れや途中出場のハメス・ロドリゲスがコンデイション不良も幸いした。ボールを奪うと素早く前線に預け展開、そして中へという形で再三ゴールに迫る。

象徴的なシーンだった72分の酒井宏樹の右足シュートはブロックされるが、それで得たCKを大迫が叩き込んだ。

なんのことはない。そこにいたのは確かに亡霊だ。しかしザッケローニではない。

そこにいたのはハリルホジッチの亡霊だった。

振り返れば先制点のシーンもハリルが掲げた「縦に早いサッカー」であり、ハリル政権でも重用され起点になった大迫は「デュエル」を制した。原口の運動量も酒井宏樹の安定感も、そして本田を外したことも、さらに振り返れば海外組が10人という偏重していたスタメンも、前任者を思わせるものはそこかしこに転がっていた。

長いアディショナルタイムを終え、ロシアの地に響いた凱歌は、青き侍のものだった。

勝利は誰の力によるものか

この勝利に日本中が沸いた・・・と断言できないのは複雑な思いのまま試合を終えたサポーターも多いと感じるからである。

彼らの脳裏に日本サッカー協会上層部の笑みがちらついたことは想像に難くない。

前半3分で退場&PKという事態が結果を大きく左右したのは言うまでもないが、今回の勝利がまるで協会上層部の英断によるものと世間に受け止められ、また協会自身もそう評価してしまうことが予見された。

さらに川淵三郎サッカー協会元会長、現日本トップリーグ連携機構会長の試合前のツイートもサポーターの精神を逆撫でした。

[https://twitter.com/jtl_President/status/1008846795743494146:embed#ハリルホジッチ監督の時、ほとんど勝てる可能性がないので、オランダ、イタリア、アメリカのサッカーファンのことを考えれば出場出来るだけラッキーと考えてW杯を楽しんでくださいと講演などで話していた。西野監督に変わった今は何か起きるかも知れないというドキドキ感が今朝になっ自分に出てきた。]

八百長問題などで退いたアギーレ氏の跡を急遽引き継ぎ、はじめて90分でオーストラリアを破り日本を本大会に導いた指揮官に対してこの暴言。あまりにもリスペクトに欠けている。

GSから好勝負が続き、なんとか「いよいよ日本だ」という雰囲気が少しづつ出てきた中で全くサポーターの気持ちを理解していない発言。もともと「このまま勝ってしまうのは・・・」というスタンスが多く見られていたが、それを通り越し「ふざけるな」、「負けちまえ」と一気にサポーターの感情は爆発した。

W杯特有の盛り上がりに水を差すと同時に、やや沈静化していた協会への批判の火に油を注いだ。高まってきた機運を自ら下げる一手。そんな協会上層部がコミュニケーション不足などとほざいて監督を解任したのは最早ギャグ以外の何物でもない。

つまるところ我々が素直に日本代表を応援できない理由はそこにある。”日本代表の勝利=日本サッカー協会の勝利”と受け取られてしまうことが、また田嶋現会長ら無能な上層部を筆頭に協会自身がそう認識することが非常に腹立たしいのである。

我々は言い続ける。

コロンビア戦は協会の勝利などでは決してない。無能な上層部の勝利ではない。

最大限の力を発揮した選手の、一丸となりチームに貢献したスタッフの、その代表チームを支えた家族の、そんな彼らを応援した人々の、そしてこのチームの土台を作ったハリルホジッチの勝利であると。

我々は日本代表を応援すべきか

今大会の招集メンバーが発表されたとき平均年齢の高さがすぐさま指摘された。田嶋会長の言葉を揶揄し「オールドジャパン」とも言われた。

そらに関する議論は置いておいて平均年齢は約28歳。選手として最も脂がのっている、と言えば聞こえはいいがそれは同時に多くのメンバーにとって最後のW杯になることも示している。

本田圭佑、岡崎慎司、長谷部誠、長友佑都、川島永嗣ら歴戦の主力は30を超え、大迫勇也、香川真司、吉田麻也、酒井宏樹といったメンバーも28.9と次回の保証はない。海外クラブからの日本人評価、日本代表の成績、そして日本サッカーの人気に大きな貢献をしてきたメンバーたち。このロシアW杯が彼らの最後の晴れ舞台になる可能性は非常に高い。

そんな彼らが協会のせいで応援されないまま終わってしまうというのは些か寂しくはないだろうか。

確かに一部メンバーが不満を抱いていたという噂やユニフォームの売上を考慮した選考など愉快ではない話もある。

だがチームの大半はロシアで勝利をつかむために必死に闘ってきたのだ。

さらに言ってしまえば出られない選手が不満を抱くのはある種当然のことで、より重く問題視すべきは「選手>監督」の構図を作り出してしまった協会である。

我々が今すべきことはサッカー日本代表を応援することだ。だが勘違いするなよ無能ども、と言いたい。我々が夢を託すの日本代表というチームでありそこに日本サッカー協会上層部は含まれていない。

全てを飲み込んで今はただ、強敵に立ち向かう代表を応援しよう。

我々が今後すべきこと

日本時間6月25日0:00にセネガル戦が始まる。勝てばGS突破が決まるが、もしもここから2連敗となれば大会を去ることとなる。

しかし日本代表がこの大会をどのような形で―仮に優勝という形で―去ることになろうとも、我々は言い続けなければならない。

「あの解任は間違っていた」と。

コロンビア戦の勝利で結果GS敗退であっても健闘を称える風潮はおそらく避けられないだろう。

「ハリルホジッチを切った決断のおかげだ」。老害達は満面の笑みでそう語るかもしれない。

だからこそ声をあげなければならない。失ったこの4年間の重さを言い続けなければならない。もう二度とこんな狂った事態を起こさないために。これまで日本サッカー発展の為に尽くしてくれた選手たちの代わりに、今度はサポーターが日本サッカーが前へ進むために声をあげねばならない。

 残念ながら大手メディアには期待できないことは明白だ。W杯を渋谷で騒ぐための口実としか捉えていない「自称日本代表サポ」も同様だ。

だからこそ私としてはこんな素人の書くブログにまで来てくれる皆さんにお願いをしたい。

共に声を上げることを。間違えてはいけない。

今やるべきことを。今後やるべきことを。

余談だが今大会はVARの影響からか後半ATが非常に長い。その時間に多くのゴールも生まれている。

だったら我々もその流れに乗ろうではないか。何度も検証し、納得できる形というゴールを決めるまで、日本サッカー協会を相手に、長い長いアディショナルタイムに持ち込んでやろう。







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