チェルシー 観戦記

「負ける気がしない」はなぜ生まれるのか 【チェルシー観戦記】

投稿日:2019年1月3日 更新日:

※本ブログは2018年9月17日にはてなブログに投稿されたものです

こんにちは。最近滞ってしまっていた私です。というのもネタがないのでございます(見つけろ)。しかも謎の代表戦が入ってしまったので試合のことも書けない・・・。

 という中でしたが先日から各リーグも再開し我らがプレミアリーグは第5節が各所で行われました。チェルシーとリバプールが開幕5連勝を飾り、昨季王者マンチェスターシティと躍進を見せるワトフォードが追従。やや躓いたかに思われたアーセナルとマンチェスターユナイテッドもじわじわと順位を上げてきています。

今日はその中からチェルシーvsカーディフの試合についてです。

第5節 チェルシーvsカーディフ(4-1)

得点者

16分          バンバ

37分 アザール

44分 アザール

80分 アザール

83分 ウィリアン

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ハットトリックを達成したアザール(Goal.comより)

ホームのスタンフォードブリッジに昇格組カーディフを迎えた一戦。開幕4連勝で迎えたチェルシーは右WGにペドロ、CFにオリヴィエ・ジルーをチョイス。ウィリアンとアルバロ・モラタをベンチに置いた。新戦力のケパ・アリサバラガ、ジョルジーニョ、マテオ・コバチッチはこの日もスタメン。既に欠かせない存在となりつつある。

対するカーディフは期待の新戦力ジョシュ・マーフィーがベンチにも入らないなど苦しい構成。それ以外はハリー・アーターやボビー・リードら新加入選手がスタメンに名を連ねた。

試合はアウェーのカーディフが積極的な入りを見せる。前節敗れながらもアーセナル相手に好ゲームを演じた(2-3で敗戦)勢いそのままに果敢なプレッシングを仕掛ける。今季からパスサッカー、”サッリ・ボール”に転換したチェルシーに本領を発揮させまいという狙いが感じられた。対するチェルシーも両SBの攻撃参加やジルーのフィジカルでゴールに迫る。

 試合の均衡を破ったのは及第点以上の立ち上がりを見せていたカーディフ。開幕からセットプレーやクロス対応に弱さを見せていたチェルシーの弱点を突くことに成功する。チェルシーは不用意なファールでFKを与えると、ハーフウェイラインから送ったボールをエリア内左から折り返される。そのボールに反応したのは直前に絶好機を逃していたバンバ。今度はしっかり足で押し込みアウェーチームが先手を取った。

 ただこれで目が覚めたか一段チェルシーがギアを上げる。コバチッチの鋭い抜け出しや、キレのある動きを見せていたペドロによる得意のコントロールショットや意表を突くループシュートでゴールに迫るが、カーディフGKニール・エザリッチの好セーブもありゴールには至らない。

しかしそれでもゴールをこじ開けられるのがブルーズの10番。ジルーの巧みなポストプレーで抜け出すと右足を強振。完璧なコースにねじ込み試合を振り出しに戻す。

さらにその7分後、素早いFKのリスタートからエリア内中央で粘ったジルーの落としに再びアザールが反応。至近距離からのシュートはDFにあたりコースが変わったため好調エザリッチも反応できず。前半のうちにホームチームが逆転に成功する。

後半はやや静かな展開になるが、途中出場のウィリアンが自慢の快足を飛ばしPKを獲得。アザールがしっかり決めてハットリックを達成すると、直後に今度はウィリアンが自らゴラッソを叩き込み勝負あり。チェルシーが開幕5連勝を飾った。

「負ける気がしない」

 さて結果的には大勝で終えられたわけだが試合展開だけ見ればやや危なかった。格下相手に先制点を奪われ、得点機を決められない。しかも先制点を奪われるのは今季初。前コンテ政権晩年ではこうして勝ち点を落とすパターンが多く見られた。

 ところがカーディフ戦では昨季の再現になるという予感はしなかった。実際チェルシーサポーター各位も同様だったようで

「負ける気はしない」

「逆転できる気がする」

「勝てる気しかしない」

と前向きな意見が多く見られた。サポーター特有の楽観的発想とかチームを応援する気持ちと言われればそれまでだが、今回はそれを掘り下げてみたい。

「負ける気がしない」はなぜ生まれるのか

①攻撃的サッカー

 まず考えられるのは攻撃的サッカーを志向しているという点だ。1点取られても2点取るから構わない、という発想。確かに今季のチェルシーは開幕から2得点以上を毎試合挙げており、5試合で14得点、1試合平均2.4点と極めて高い数字を出している。ちなみに昨季が1試合平均1.63点であり、もちろん今季まだ5試合であるため簡単には判断できないが、改善されたとみていいだろう。

 ただ攻撃的サッカーを志向しているからと言って「負ける気がしない」というのは正解として十分ではないと思われる。昨季前半までのリバプールも攻撃的サッカーを展開しながら危うさは隠しきれず、不安定な戦いも多かった(昨季終盤から今季にかけて不用意な取りこぼしは激減したが)。したがって攻撃的サッカーだからというのは100点の正解ではない。

②パスサッカー

 次に考えられるのはパスサッカーを志向している点だ。昨季圧倒的な強さを見せたマンチェスターシティはとにかくボールを握り相手にチャンスをほとんど作らせなかった。攻めるだけなのでいつか点は取れる、相手はボールを持てないのでシュートが打てない、という発想だ。リバプールの危うさも彼らがカウンターを主軸にしていることからも説明がつく。

ただそれの反例は紛れもなくチェルシーだ。チェルシーでのモウリーニョ政権の全盛期などは1点とれば確実に勝ち、というような感覚を抱いた。お世辞にも攻撃に秀でていたわけでも華麗なパスワークで崩していくわけでもなかったが、それでも負ける気はしなかった。

 コンテ政権1年目も3バック導入後は連勝街道に乗り優勝を果たしたが、ボール保持率で圧倒的に上回った試合はそれほど多くない。逆にパスサッカーの最先端であるグアルディオラは同年無冠に終わっている。

 したがってパスサッカー、ボールポゼッションを志向しているからと言って「負ける気がしない」わけではないのだ。

③自信

 というわけで精神論にたどり着いてしまったがこれ普通にすごく大事。勝てば勝つほど勝てる気がしてくる。もちろん相手のクオリティもある。特に今回は昇格組で、選手の質の差は否めなかっただろう。チームも目下4連勝でW杯組もコンデイションを上げてきていた。

 しかしこれは説明ではない。そもそもなぜ自信が生まれるのか、ということは何ら解決していない。なぜ勝てるのか、という話になるからだ。

再現性

 というわけで私のたどり着いた答えがこちら、再現性だ。再現性こそ「負ける気がしない」の根源である。

 チェルシーの総得点14点のうち、目立つのが左サイドで作って中央、あるいは右サイドでフィニッシュという形だ。もちろんエース、アザールのポジションが左サイドであることや超攻撃的SBのアロンソがいることも関連しているが、逆に言えば二人、特にアロンソが攻撃面で大きな存在感を放っているのは彼らに集めているからという見方もできる。

ここでチェルシーの得点パターンを振り返る。

  • 第1節ハダースフィールド戦:

左のウィリアンからのクロス→右IHのカンテのボレー

左サイドの崩しでアロンソがPK獲得、成功

左サイドからのパスをエリア右で受けたペドロが得点

  • 第2節アーセナル戦

左のアロンソの抜けだしにペドロがエリア内で合わせる

右のアスピリクエタのパスに反応したモラタがDFを交わしゴール

左サイドを破ったアザールにアロンソが合わせる

  • 第3節ニューカッスル戦

左のアザールのパスを受けたアロンソがPK獲得、成功

セットプレーからオウンゴール誘発

  • 第4節ボーンマス戦

アロンソ、ペドロ、ジルーの連携からペドロが得点

左からアザールとアロンソのワンツーから得点

  • 第5節カーディフ戦

リュディガーの楔をジルーが落としアザールが仕留める

左からペドロの折り返しをジルーが落としアザールが抜く

左のアザールのパスをエリア内右で受けたウィリアンがPK獲得、成功

左からパスを受けたウィリアンがゴラッソ

と14得点中10点が左で作って中央、あるいは右で合わせるという形である。コンテ時代はアザールのひらめきをはじめとした選手のアイデアに頼る部分が多かった。何度も使える、再現性を有した武器は少なかった。(もちろん得意な攻撃パターン、例えばアスピリクエタ→モラタという形はあり、それが効果的だったのは言うまでもない。)

 今季のチェルシーには何度も繰り返せる決まった形があり、それが非常に効果的に機能しているため、偶然やひらめきといった不確実性に頼らなくてもいい。それがサポーターの「負ける気がしない」という確信に変わっているのだろう。

もちろんこの形だけでなくペドロのミドルや攻撃的CBの持ち上がりと、多様な武器も持っているため、これが封じられればおしまい、という可能性も少ない。

 これは他チームにも言えて昨季圧倒的な「負ける気がしない」を振りまいていたシティも再現性のある攻撃をもっていたためである。その証拠にシティの得点パターンは何度か似通ったものが見受けられる。「ああまたこの形か」という感覚は昨季何度も抱いた。

 ついでに言えば「再現性」はオフェンスに限らずディフェンスにも言える。モウリーニョ政権はもとより、直近のコンテ政権ではエアバトルを迎撃するケーヒル、攻守において前傾姿勢を貫くルイス、対人で負け知らずのアスピリクエタを並べる守備が非常に効果的だったのは記憶に新しい。

すなわち再現性こそが「負ける気がしない」という感覚を生み出すうえで重要なピースになる。

最後に

 いかがだったでしょうか。

 再現性こそ「負ける気がしない」を生み出す・・・といいましたがこれはあくまで私の主観なので「そーかもなー」って人と「何言ってんだ」って人に分かれると思います。もちろんこれだけではなくて、チーム状況とか選手のコンデイションとかいろんなものが絡んでくるので一概には言えませんが、私の中では重要だなーということです。

願わくば毎日この感覚を持って、結果も伴うといいですね。それから再現性と言えばチェルシーフロントは監督早期解任だけは再現しなくていいということを最後に付け加えておきましょう。

それではまた。

~おしまい~







-チェルシー, 観戦記

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  1. […] ことにある。シーズン序盤まではジョルジーニョを起点とした左での展開→右でのフィニッシュという形ができていた。(再現性ができていたころに関しては5節カーディフ戦の記事へ) […]

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