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エメルソン・パルミエリ―左SBのスペシャリストが待望のスタメンへ

投稿日:2019年1月25日 更新日:

こんにちは。寒い日が続いていますが本日も更新です。

日本時間1月25日早朝にカラバオ杯準決勝2ndレグ、チェルシーvsトッテナムの一戦が行われました。1stレグを0-1で落としていたチェルシーですが、この試合では2-1の勝利をおさめ、トータルスコアを五分にすると、PK戦ではGKケパ・アリサバラガの好守もあり、見事決勝へと駒を進めました。

リーグ杯ということで現状チェルシーが参戦しているコンペティションでもっとも優先順位が低いのは事実ですが、相手は今季リーグ戦で苦汁をなめたスパーズ。また同じロンドンのライバルであるアーセナル相手に直近のリーグ戦で完敗を喫していたこともあり、イングランド初タイトルを狙うマウリシオ・サッリも本気のメンバーで臨むことが予想されました。

今日はそこでスタメンを飾り勝利に貢献したエメルソン・パルミエリについてです。

待ちに待った「ビッグゲーム」

エメルソンのスタメン起用。驚きこそあれ、納得しないサポーターはほとんどいなかっただろう。ここまでELやFA杯といった格下との試合では継続的にスタメン起用されてきたものの、リーグ戦やビッグマッチでは基本的にマルコス・アロンソが不動のレギュラーだった。

ところがシーズン序盤こそ圧巻の攻撃力でチームを牽引したアロンソだったが、中盤以降はシュートが枠をたたくなど、運にも見放され得点数が伸びず、またスピード不足やクロス精度の低さが指摘されるようになってきた。アロンソのクオリティ不足というより、過密日程での疲労という側面は多分に無視できないが、元来アロンソはWBを本職としてきた選手なのも事実。もちろんSBでもプレー可能だが、いきなり1年目から常時トップパフォーマンスを、というのは特に他チームの研究が進む中盤戦以降は無理がある。

余談だがそれでもアロンソが継続的に使われたのは、シーズン途中からファーストチョイスになったFWエデン・アザールの偽9番、およびIHにマテオ・コバチッチを置いた際の身長不足を懸念したためだと思われる。

「emerson palmieri」の画像検索結果
(Metroより)身長は178cm

そこでサポーター間で期待が高まったのがエメルソンの起用だ。ローマ時代はSBとしてプレー。今季は格下相手の試合が多かったとはいえ、出場した際には堅実なプレーを見せ、アロンソにはない個人でのスピードに乗った突破や高精度のクロス見せるシーンもあった。

ベンチ外から

その活躍もあってか、リーグ戦では同じSBの控えであるダビデ・ザッパコスタを制しベンチ入りする試合も増え、第19節のワトフォード戦で85分から途中出場し今季リーグ戦初出場を果たすと、第20節クリスタルパレス戦でも交代出場。ケガ人が多かったウイングの位置に入り、守備固めの仕事を果し連勝に貢献した。

途中出場ながらキッチリと試合に入り、また短い時間ながら巧みな足技でチャンスを作るシーンもあったことから、サポーターからの評価は悪くなかった。
特にカラバオ杯でスパーズ、リーグ戦で共に無得点でアーセナルに敗れると「1度使ってみてほしい」という声はいよいよ高まった。決してマルコス・アロンソだけのせいではないが、疲労でパフォーマンスが落ちていたことやアロンソとは違った単騎突破という攻撃力を持つ点に期待が集まった。

そしてとうとう強豪相手のビッグゲームで出番が訪れる。エメルソン自身にとっては得点を挙げたカラバオ杯リバプール戦以来のビッグマッチ。勝つしかない試合でスタメン。舞台は整った。

見せたポテンシャル

相対したスパーズは既に満身創痍と言っていい状態。FWは絶対的エースのハリー・ケインは負傷で、次いで得点源であるソンフンミンはアジア杯で離脱。MFではデレ・アリが直近のリーグ戦で負傷し、ビクター・ワニャマも長期離脱中。結局この試合にはルーカス・モウラとムサ・シソコは帰ってこれたが、先発した後者に加え、DFベン・デイビスも試合中に負傷交代となった。

強力攻撃陣の大半を欠いていることも経験には劣るエメルソン先発への後押しになったのは想像に難くない。とはいえスピードのあるソンがいた場合はアロンソだとかなり不安なのだが。

結局クロスにFWフェルナンド・ジョレンテが合わせる形で1点こそ奪われたが、最近のチェルシーにしては珍しく、2得点に加え、シュート数でも上回り試合を優位に進めた。

2点目を挙げたアザールの好調もあったが、そのアザールとの連携もエメルソンはまずまず。前半では自身でゴールライン近くまで持ち込んでクロスを送るシーンは彼の良さが表れていた。

そしてそのポテンシャルをいかんなく見せたのは後半から。敵陣エリア前で仕掛ける積極的な入りを見せると、特にスペースが開いてきた最終盤には同時期に加入し相性の良さを随所に見せるジルーに何度も決定機を供給。
後半ATには決定的なクロスを足元に送ると、終了間際には衰えぬスピードでセルジュ・オーリエを置き去りに。浅い位置から精度の高いアーリークロスを二人のDFの間にいたジルーの頭にピンポイントで届け、スパーズの敗退を15分早めるところだった。

「emerson palmieri」の画像検索結果
(Daily Expressより)同じく昨冬に加入したジルーとは好相性

エースとの相性

特に時間を経るごとにアザールとの連携にも磨きがかかった。今季のみならず、アザールは得点が欲しい状況だと自分でつっかけ、よほど調子が良くない場合にはロストにつながることも少なくない。しかしこの試合ではスピードに乗ってオーバーラップするエメルソンをいいタイミングでシンプルに使うシーンが終盤では増え、それが決定機につながった。

はっきりいってこのチームはアザールの調子に左右される部分が非常に大きいチームであり、彼との相性がスタメンでやれるかどうかを決める面も少なくない。
そこではアロンソの方に大きな分があると思われていたが、この試合を見る限りどうやら二人の相性は決して悪くないようだ。

今後の出番は増えるか

スパーズ戦ではスタメンのアロンソに勝るとも劣らないプレーを見せたエメルソン。もちろん相手攻撃陣がベストではなかったのは事実だが、それを差し引いても自身の良さを見せられたと言っていいだろう。
そうなると気になるのが今後の出番だ。カップ戦で主体となってやれるのは確認済みだが、リーグ戦でアロンソのスタメンを奪えるのか。

個人的には十分その可能性はあると考えている。本格的CFで身長もあるゴンサロ・イグアインの加入や、大柄なロフタス・チークがケガから戦線復帰したのも追い風になるはずだ。
とはいえアロンソもこのまま終わるとは思えない。疲労を回復すればそのフィジカルはエメルソンにはない大きな武器。
彼らにとっては熾烈なポジション争いだが、チームにとっては確実にプラスになる競争だ。

長く控えに燻り、一時は移籍の噂も本格化したが、その才能は「二軍」ではなく、「一軍」のスタメンと堂々とポジションを争える実力は十分。
マルコス・アロンソとエメルソン・パルミエリ。異なる攻撃力を持つ二人が、チェルシーの反撃の鍵を握る。

~おしまい~







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