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0から1に。一流と超一流の境目

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ティポー・クルトワが批判されている。それは決して元所属チームの悪口を言っているからでも元所属チームのチームメートを強引に勧誘したり元所属チームのチームメートをサポーターを軽んじたからではない。

単なるパフォーマンスの問題である。

憧れのレアル・マドリードに加入したはいいもののここまで際立ったパフォーマンスを見せられていない。

もちろん絶対的エース、クリスティアーノ・ロナウド退団に未だ揺れるチーム状況も大いに関わっているのは確かだ。しかし直近のPSG戦では3失点。相手GKがレアルのCL3連覇に多大な貢献を果たしたケイロル・ナバスだったことも批判に拍車をかけた。

(Sky sportsより)レアルで苦しむクルトワ

ナバスとクルトワで優劣をつけるのは難しい。将来性を考慮してクルトワを取ったレアルの決断は間違ってると断ずる事は出来ない。ただしこの両者には明らかな違いがあるように見える。それが「0→1」だ

「0→1」

クルトワはゴールを守る基礎スペックが非常に高い選手である一方で、理不尽なビッグセーブをするタイプではない。対するナバスはポジショニングにやや難があると評されることもあるが、試合の分かれ目となるセービングを見せる

筆者がよく使う表現に「0→1」というのがある。0は得点の生まれる気配、1はゴールと考えてもらっても構わない。つまり0.2や0.5は得点(失点)につながる確率になる

クルトワは0.5程度のシュートはほぼ100%止める。止められる余地のあるシュートは必ず止めてくれるタイプのGKだ。対するナバスは0.5程度のシュートをミスすることがある一方で、0.9のような誰もが失点を覚悟する時に防ぐことがある。止められる余地のない(はずの)シュートを止めることがある。

俗に言う「理不尽」なプレー。ちなみにGKにおけるこの最高峰はノっている時のダビド・デ・ヘアではないかと思う。思い出すのはアーセナル戦、スパーズ戦。何度もゴールに肉薄したロンドンの両雄だが、結局その壁の前に散っていた。

(metroより)最近は懐疑論も聞こえるが…

攻撃における「0→1」

この事は攻撃においても言える。俗には「違いをもたらす」などと言われる。

例えばリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウド。彼らの世界一論争は見飽きたものだ。だが両者の主張には異なる点がある。

「メッシは何人も個人で突破できる」、「メッシは驚異的なアシストができる」。

「ロナウドの決定力は凄まじい」、「ロナウドは大事な場面で点を取る」。

彼らの論争に決着がつかないのは当たり前である。論じてる点が違うからである。メッシ派は時折見せる「0.2→1」にする能力を賞賛するのに対し、ロナウド派は絶対に「0.8→1」にする能力を主張するからである。

もっとも両方バケモノであることに何の疑いもないし、もちろんメッシがごっつぁんゴールを決める時もあるしロナウドが理不尽なハットトリックを決めるのは恒例だ。

彼らが使われる理由

この0→1でわかりやすい例がポール・ポグバだ。

(metroより)ムラは課題だが…

気分でパフォーマンスの質は天地ほどの落差があり、守備は気まぐれ。中盤で致命的なロストをすることもあれば驚愕のロングパスでアシストを記録することもある。

監督としては使いづらい選手なのは間違いない。それでも彼を使うのは、誰もがこの手の選手が時折見せる「0.2→1」の0.8の振り幅に魅せられてしまっているからだ。

なお余談だが「0.8→1」タイプはなかなか評価されづらい傾向にある。0.8→1にする「0.2の振り幅」より0から0.8にしてる「0.8の振り幅」のケビン・デ・ブライネの方がすごいよね?と言われてしまうラヒーム・スターリングを想像すれば分かりやすいだろうか。

そしてデ・ブライネのような「違いを生む」選手はビッグゲームで極上の輝きを見せる。上位チームの全てが拮抗した戦いで勝負を決めるのは彼らの「理不尽さ」なのだから。

ジョー・ハートが頭でクリアした瞬間に次のワンタッチでゴールになると思った者がいただろうか。限りなく0に近かった瞬間を1に変えたズラタン・イブラヒモビッチ。

ハーフウェーラインでファール覚悟で止めに来たフランシス・コクランらアーセナル守備陣を前に単騎で持った瞬間に、この数秒後ゴールになると思った者がいるだろうか。限りなく0に近かった瞬間を1に変えたのがエデン・アザール。

そこには上手い以上の差がある。強い以上の違いがある。歴戦の監督たちは、だからこそ彼らを使い続ける。それは彼らのような選手が勝利をもたらすことを、本能に近いレベルで知っているからではないだろうか。







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