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メイソン・マウント、開花から覚醒へ

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こんにちは。あれ、前回の更新から2ヶ月も経ってる!

ビックリです。

この間にいろいろありました。ケガ人が出たり、色んなチームが監督を変えたり、ケガ人が出たり、バイエルンにボコられたり、ケガ人が出たり。
我らがプレミアリーグも残りが10節くらいといよいよ佳境です。

今回は我らがメイソン・マウントに関してです!

開花

今夏の補強禁止により若手を大量にスカッド入りさせなければならなかったチェルシー。期待の原石、といえば聞こえはいいが、実績は2部や、良くて下位チームの1.5軍。特に昨季のリーグ戦で31ゴール、すなわちおよそ50%に関与したエデン・アザールが去り、昨季躍動を見せたルベン・ロフタス・チークが離脱中の攻撃陣への懸念が何度も伝えられた。

その中で大きな期待を寄せられていたのがメイソン・マウントだ。昨季はランパードと共にダービーの躍進に貢献。今季から主力を担わなければならなくなったユース組の中でも殊更大きな注目を集める一方で、重圧に似た期待も背負った。

そして今シーズン、プレミアリーグでチェルシーのファーストゴールを挙げたのがそのマウントだった。
第2節のレスター戦。ハイプレスでボールを奪うと、そのまま右足を振りぬく。見事なシュートで新生チェルシーの代表的存在であることを印象付けた。

メイソン・マウントの長所の一つがその走力だ。ボールを奪うプレス、速攻時のスピードが求められるランパード政権において、マウントはサボらず走ることができる。もちろん昨季からの積み上げもあるだろうが、トップレベルでも同じことができるのは高い評価ポイントだ。まさにレスター戦の先制点は象徴的なシーンだった。

その後も継続的にゴールを奪い、キャリア初となるチャンピオンズリーグにも出場。同じく序盤戦からブレイクしたタミー・エイブラハムらと同様に、躍動感あるプレーでチームを牽引した。

「mason mount」の画像検索結果
(The Guardianより)端正なルックスでも人気を集める

停滞

しかし序盤戦のブレイクから一転、中盤戦では思うようにゴールが奪えない。第8節のサウサンプトン戦以降、20試合で1ゴールと思うような結果が残せず、スタメン落ちも経験した。

その理由はいくつかあるだろうが、まずは疲労だろう。マウントにとって初挑戦となるプレミアリーグだけでも疲労は大きい。そこに加え決して厚いとは言えない選手層。CLや各カップ戦でも出ざるを得なかったため相当の疲労が溜まっていたはずである。当然ながら異常なまでの過密日程も初体験だ。

またランパード政権そのものの停滞というのもある。シーズン序盤こそアグレッシブなサッカーで台風の目となったが、無論相手チームも黙ってはいない。対策を練り、キーマンであるマウントも研究されたはずだ。

徐々にパフォーマンスも下がり、サポーターからも懐疑的な視線が向けられた。

強み

ただしその状況で出続けたことは彼のキャリアにとってもチームにとっても大きかったのではないか。
長期離脱中のルベン・ロフタス・チークを筆頭に、ケガが癖になってしまったエンゴロ・カンテ、細かい負傷の多いマテオ・コバチッチ、コンディションが整わなかったロス・バークリーらの欠場で試合数がかさんだ。
しかしここまでチーム最多のリーグ戦出場数ながら、中長期の離脱はない。
ケビン・デ・ブルイネのように連戦が翌シーズンに害をもたらすこともあるが、これだけ使われながらもケガをせず闘い抜いているというのは立派なストロングポイントだ。

またパフォーマンスが上がらない時期も決して悪いプレーをしていたわけではない。得点を期待される選手なので、0点を1点に変える力が求められるのだが、プラスにはできないまでもマイナスにはならない程度のプレーはしていた。
彼がスタメンの一枠を埋め続け、毎節爽やかな笑顔を見せてくれていたのはチームの安定を支えていたはず。

年齢のわりに意外にもプレーは波がないので、そうした点もランパードが使い続ける理由なのではないか。

もちろん序盤戦で見せたシュートセンスや運動量も魅力の一つだ。

そして何よりメイソン・マウント。この男の大いなる強みは対ロンドンで発揮される負けん気の強さである。

兆し

兎にも角にもマウントはロンドンダービーでのパフォーマンスがすこぶるいい。それを特に見せたのが第18節のトッテナム戦。相対したヤン・ヴェルトンゲンを華麗な身のこなしで翻弄。90分にわたって起点になり、2-0の快勝に大きくお貢献した。

そしてホームでのスパーズ戦でも再び躍動。マルコスアロンソの決勝点にも絡み、シーズンダブルを達成した。(もっともたまに熱くなりすぎるのは玉に瑕だが)

これまで「試合から消える」ことやキック精度の安定感のなさが短所として指摘されてきたマウント。しかし試合に出続けたことが功を奏したか、そうした声は徐々に聞かれなくなってきた。そしてスパーズ相手のハイパフォーマンスでついに覚醒への兆しを掴んだように感じる。

「試合に出続けること」はこの年代の選手にとって大事なことだ。マウントはトップレベルで出続けたことで、90分続けての存在感やプレーへの関与は大きく向上させている。
この終盤戦を前に弱点を克服し、開幕時に比べ大きく成長した姿を見せてくれている様は、気まぐれに煌めく原石からいつでも輝くダイヤモンドへと一歩ずつ研磨されている姿でもある。

序盤戦のゴールラッシュという開花に比べれば派手ではないかもしれないが、この変化は間違いなくメイソン・マウントというサッカー選手が新たな次元に突入したことを示している。

覚醒

そして第29節のエバートン戦では華麗な反転から強烈なシュートをイングランド代表正GKであるジョーダン・ピックフォード相手に叩き込んだ。第15節ぶりとなる久々の得点はもとより、その直前にも的確なフリーランから決定機を生むなど、自身の強みを生かした多様なシュートパターンも見せている。

才能と成長が噛み合い、いよいよ覚醒の時は間近だ。

チーム内には復調傾向のバークリーや完全復活間近のロフタスチーク、イングランド代表では、ジェームズ・マディソン(レスター)やジャック・グリーリッシュ(アストン・ヴィラ)が同じ選考ラインにひしめき合っている。
安泰なポジションではなく、判断力と積極性のバランスなど、マウント自身も今後改善すべき項目もたくさんある。

しかしこの数か月で壁を乗り越え、新たな次元にメイソン・マウントは突入してきた。名実ともにチーム中心へと登りつめる。
その驚異的な成長速度こそが、新生チェルシーをタイトルへと加速させる最大のエネルギーであることは疑いようがない。







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