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取り戻した輝き。前を向くロス・バークリー

投稿日:2020年3月21日 更新日:

こんにちは。コロナウイルスが大変だ!ということで我らがイングランドプレミアリーグも延期を余儀なくされました。

現役監督や現役選手にも感染者が拡大中とのことで、一刻も早い回復が望まれるばかりです。バタバタとしていましたが全試合延期は致し方ない判断でしょうう。

我々フットボールファンにとって1週間の楽しみであるリーグ戦やCLがなくなってしまうことは大変悲しいですね。もちろん非常時なのでやむを得ないのですし、中断は大賛成なのですが、退屈なものは退屈だ!というのが私の偽らざる本心です。

というわけでブログを書いていきます。本日はみんな大好き(?)ロス・バークリーです!

好調

ロス・バークリーが好調を保っている。PSMでのみ現れる伝説のポケモン枠をビクター・モーゼスから継承したときは本当に絶望した。

シーズン開幕前は昨季の遅れを取り返すがごとく、躍動していたにもかかわらず、開幕後はしっかりと沈黙。シーズン前紹介で「この覚醒が剥製でないことを信じたい」と述べたのは完全なフラグ回収でしかなかった。

前半戦一番インパクトを残したのがナイトクラブで上半身裸で踊り狂っていた姿だというのだから言いたいことはたくさんあれど、言葉もなかった。

昨シーズンはまだ言い訳ができた。トップ下をこれまで担ってきた中で、前監督マウリシオ・サッリはそのポジションを頑なに置かなかった。故にIHとして適応するのに時間がかかったとか、ケガでの離脱期間が長かったとか、ルベン・ロフタス・チークの台頭などなど。

ところが今季はそうではない。前監督に比べればフォーメーションの幅は広いフランク・ランパードが監督に就任。ロフタスチークは長期離脱中で、目下ポジションを争うのはこれまで2部でしか経験のないメイソン・マウントだった。

攻撃的MFとしてあげてきた実績はチームナンバー1。それだけに今季はエバートン時代のようなアグレッシブなプレーを見せてくれるのではないかと期待が膨らんだ。

まあ結果は残酷なもので、序盤戦こそ継続的に出場機会を得ながら、立ち位置を確固たるものにできず。逆に数字を残し続けるマウントが駆け足でチームの中核へと登りつめていった。CLでは志願したPKを外し、チームの敗戦の一端になるなど、不甲斐ない前半戦に終わる。中盤戦以降は自身のコンディション問題もあり、ベンチ外の日々も味わった。

我々はなぜロス・バークリーに期待するのか

これまで何度もバークリーに期待を裏切られているチェルシーサポだが、試合前にはなぜか再び期待を集める。理解ができない行動である。

なぜロス・バークリーはこうまで期待を集めるのか。それを探るため我々はアマゾンの奥地に向かうわけもない。

プレースタイル

バークリーの最大の魅力はそのプレースタイルだ。推進力のあるドリブル、フィジカル、エリア内だと上手くなる足元。そして強烈なミドルシュート。ダイナミックなプレーは「アスリート的」と評されるプレミアリーグ中でも眩い光を放つ。

見るものを興奮のるつぼへと叩き込むダイナミックさこそがバークリーの特徴である。チェルシーは全体としてミドルシュートでの得点があまり多くない(と感じる)チームだけにその存在は異質だ。またマウントはともかく、カンテやジョルジーニョ、マテオ・コバチッチらは得点力が高くないため、中盤から一撃で仕留めるその姿をついつい拝みたくなってしまう。

「ross barkley  goal」の画像検索結果
(The Independentより)ロマン砲も持つ

現監督との共通点

バークリーの背負う背番号8は現監督の現役時代と同じものだ。

ランパードも同じようなプレースタイルで中盤の選手ながら高い得点力を発揮し、チームに多くの勝利とタイトルをもたらした。栄光を知るサポーターには、国籍や得点力などでレジェンドと親和性を感じる者も少なくないだろう。

もちろんそうした意味合いも込めてフロントから背番号8が送られたことは想像に難くない。
それだけにランパード政権ではもっと輝くと思われていたのは不要な重圧だったか。

攻撃面での総合力の高さ

Wikipediaによると186cmと大柄であり、競り合いに強さを見せるシーンも。また高身長ながらスピードも標準以上備えており、スペースがあれば個人で持ち出すこともできる。

シュート能力の高さは言わずもがなであるが、FKも蹴れる。PKは知らない。両足でのパス精度も冴えている。またエリア内では繊細な足技を披露することもあり、攻撃的MFとしてはかなり総合力が高い。得点とアシストの両方ができる。

ルックス

ちょっとサイコパスっぽい。米国プロレス団体、WWEのスーパースターであるジョン・シナと似ている。なお嫁だか彼女だかとの写真を撮られていたが、グラマラスな美女であった。

John Cena
(WWEより)見えっこある?

ロス・バークリーの苦手なこと

武器は多いがバークリーには苦手なプレーが多い。中盤というと器用な選手を想像してしまうが、ことバークリーに関してはそんなことはない。出来ることと出来ないことがはっきりしている。

前を向く

バークリーは前を向くのが苦手である。小気味よいターンで展開したり、背後の相手をトラップで剥がしたりは出来ない。

背後の敵を捉えられない

これは前項の「前を向く」とある意味同じなのだが、バークリーの視野は間違いなくライオン型である。すなわち前しか見えていないのである。この場合の前とは「バークリーの顔の向く先」であり、サッカーにおける「敵陣方向」ではない。

背後の感覚に乏しいため、今この瞬間に前(敵陣方向)を向けるのかが判断できない。したがって振り向くリターンよりもリスクが大きいバイタル以前では全自動横パス&バックパスマシンとなる。

なお何回か後ろから突っつかれたり囲まれたりしている。

持ちすぎる

バークリーはあまりシンプルにプレーをすることができない。球離れが悪いのだ。1vs1をよく仕掛けるWGが長くボールを持つのはよくある。(チェルシーではウィリアンが多用する)ところがバークリーは基本的に中盤の選手である。長く持てば多くの敵に襲い掛かられる。

何度もボールを持ちすぎて囲まれてロスト、それをカバーするアスピリクエタとカンテが可哀想である。

シンプルなプレーというのはなかなかコーチングする側も難しいとは思う。今のところ古巣エバートンのホームであるグディソンパークでブーイングを受ける以外の策は見つかっていない。

守備と運動量

バークリーはあまり守備をしない。また運動量が多いタイプでもない。ペドロとウィリアンがたまにぶっとばしたくならないか心配になる。

とはいえロフタスチークも昔はこんな感じだったのでここに関してはランパードが粘り強く指導すれば意外とすぐ改善できると思っている。

オリビエ・ジルーとビリー・ギルモア

そんな長所と短所がくっきりしているバークリーであったが、ケガ人続出で徐々に出番が増える。戻って来た試合勘と上がって来たコンディション。そしてさらに大きな変化がチェルシーに訪れる。
オリビエ・ジルーとビリー・ギルモアの起用だ。これが一気にバークリーの長所を開花させる。

ジルーの復活

ジルーの得意技はポストプレーだ。強靭なフィジカルで敵を抑え込んでのポストプレーはわかっていても止められない。

しかしジルーはバークリー以上に出場機会を失っていた。今冬での退団が確実視されるも、ここまでチームを牽引してきたタミー・エイブラハムの離脱や、フロントが後釜となるCFの確保に失敗したため、チームに残ることとなった。

限られたチャンスで結果を残し、現段階では一気に序列を覆そうとさえしている。ではなぜエイブラハムのケガまでジルーの出場機会はなかったのか。

それはランパードが機動力のあるCFを好んでいたから、だけではない。エイブラハムもまた卓越したポストプレーを披露していたからである。それに加えジルーにはないスピードと得点力を兼ね備えていた以上、ファーストチョイスになるのは仕方がなかった。

エイブラハムのキープ力はボールを収め、味方の上がりを促すものだ。他方ジルーが得意とするのは、ワンタッチで味方に落とすプレーだ。双方巧みなポストプレーの使い手だが、微妙にその性質は異なる。

そしてジルーのポストプレーに相性が良かったのがバークリーだ。引いて受けてくるジルーがワンタッチでバークリーに落とす。この瞬間バークリーは前(敵陣)を向いている。苦手なターンも敵察知も必要ない。後は的確なスルーパスやミドル、ドリブルなど自身のストロングポイントを全開にすればいい。

そうして生まれたのがリバプール戦の得点や、エバートン戦でのペドロへのアシストである。

https://twitter.com/EmiratesFACup/status/1234950281470914561?s=20
https://twitter.com/ChelseaFC/status/1236785191869452293?s=20

ギルモアの台頭

もう一つが新生、ビリー・ギルモアの抜擢だ。小柄なスコットランド出身の若手はセンセーショナルなプレーを見せている。

ギルモアの優れている点は豊富な運動量とパスを捌く能力だ。エバートン戦では自身初となるリーグ戦フル出場ながら、90%越えのパス成功率を記録し、走行距離でもチームを牽引した。

ギルモアの武器は状況判断能力の高さだ。敵と味方の位置を把握しているため、ボールを引き出す動きが上手い。そして先にも記載したとおり、それを可能にするだけの体力もついている。また旋回半径の小さいターンも魅力的で、狭い場所でも敵陣へと体を向けられる。

これは守備でも有効で、「パスコースを読む」ジョルジーニョに対し、「その後の展開を読む」というのがギルモアの守備を表すのに近い。また小柄ながら意外にも体を投げ出す泥臭い守備も厭わない。

既に論じた通り、ギルモアの長所はバークリーを絡めたビルドアップの弊害を除去してくれるものだ。ジョルジーニョのようなタッチダウンパスこそまだ会得していないかもしれないが、効果的に前につなぐ能力は既に完成されている。

そして後輩くんができたのはバークリーにとっても大きいのかも。ユース上がりのマウントはともかく、試合の経験はもちろん、チェルシーの経験もバークリーより少ない若手は初めてなのでは?

「ross barkley」の画像検索結果
(The SUNより)リバプール相手に躍動した

とこのように自身の復調に合わせ、バークリーの短所を補い、長所のみを発揮すればいいメンバーに囲まれるという幸運が舞い込んでいる。決してこれまでの短所が劇的に改善されたわけではないし、長所がさらに爆発的に伸びたわけではない。
短所をカバーできる仲間と、もともとの長所が特大だったという解釈でよいのではないか。

延期

さて何度も言っているように新型コロナウイルスの猛威によりそんなバークリーの好調は物理的に止まってしまった。この辺りも持ってなさ全開である。
再開後もこの2試合と同じようなプレーが見たいが。。。何度もあげて落とされている我々はかなり疑い深くなっている。

とは言ったもののやはり期待してしまうのサッカーファンの性。中断明けがいつになるかはわからないが、再びダイナミックなプレーで沸かしてくれるのを願うばかりである。

最後に

というわけでみんな大好きロス・バークリーさんでした!なんだかんだ人気があるなあ、と毎回思います。

コロナのせいでサッカーのない日々が続いていますが、我々にも何かできることがないか探していきたいですね。私はブログの更新頻度を上げていこうと思います。。

それではまた!







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