こんにちは。気づいたら2月が終わっていた私です。今日は皆さんお待ちかね?の採点コーナーでございます
プレミアリーグ第28節 チェルシーvsトッテナム
2-0
得点者:ペドロ(57分)、オウンゴール(84分)
試合前
「なにかと暗い話題の多いチェルシー」。ホームチームに対するメディアでの論調は大小こそあれネガティブなものに統一されていた
強豪との連戦が続いた2月。初戦のマンチェスターシティ戦はなす術なく0-6の大敗。ELこそ勝ち進んだが、FA杯で今度は赤い方のマンチェスターに敗れ、連覇の夢は早くも潰えた。本来の姿を取り戻したリーグ杯決勝では、拮抗した好ゲームをシティ相手に披露。120分を互角に渡り合った。
ところがこの試合でGKケパ・アリサバラガが交代を拒否するトラブル。激怒するマウリシオ・サッリ監督を尻目にピッチに残ったケパだったが、PK戦の結果はシティに転んだ。修正と哲学の手ごたえを得られるはずの好試合は、後味の悪さが際立つタイトル逸の側面が大きく取り沙汰された

対するスパーズも決して順風満帆ではなかった。前節はバーンリー相手に一度は追いつきながらも守備の混乱をつかれ敗北。エースのハリー・ケインの復帰弾は空虚に響いた。
首位リバプール、2位シティ追走、そして悲願のタイトルのために勝点3がマストの一戦となった。
スタメン
「チームにメッセージを送る」という言葉通りサッリは”休養十分”のウィリー・カバジェロに大一番のゴールマウスを託した。
バックラインはマルコス・アロンソが復帰した以外はシティ戦と変更なし。中盤はマテオ・コバチッチ、前線はゴンサロ・イグアインがそれぞれロス・バークリー、ウィリアンに入れ替わってスタメンに名を連ねた

対するスパーズはケインを1トップに据えた4-2-3-1。チェルシー戦を得意とするデレ・アリがいないのは痛手だったが、好調のソンフンミンや前節復帰したケインが前線に入り、一時期よりは戦力が戻ってきた印象を持たせた。
試合開始
前回のリーグ戦での対戦時は開始1分から猛攻を仕掛けたスパーズ。しかしサッリ率いるホームチームは同じ轍を踏むことはなかった。
開始からボールを回すと5分にはクロスの流れからゴンサロ・イグアインに決定機。アウトにかかったシュートは今季何度目かというポストに嫌われたが、主導権を握ることには成功した。
その後もプレスとリトリート、狭い局面でのパス交換とサイドチェンジを織り交ぜるチェルシーを捕まえきれないスパーズ。18分には自陣でウーゴ・ロリスが危険なミスを犯すが、連携とシュートのミスに助けられた。
流れの悪さを自覚したか、マウリシオ・ポチェッティーノは細かいフォーメーション変更を行う。徐々に主導権を取り戻したスパーズはボール支配率もあげてくる。日程的に苦しいチェルシーは押し込まれるが、この試合奮闘したバックラインが侵入を許さない。
前半終了間際のハリー・ウィンクスのミドルシュートは意表を突いたが、今度はバーがチェルシーを救う格好になった。
後半開始
後半開始も主導権を握ったのはチェルシー。イグアインが冷や汗をかかせると、スパーズの反撃を最終ラインが体を張ってブロック。
均衡が破れたのは57分。アザール、アスピリクエタとつなぐと、裏へ抜けたのはペドロ。完璧なタイミングで受けるとあまりにも軽く飛び込んだトビー・アルデルヴァイレルトを切り返しで突破。そのまま左足でロリスの股を射抜くと、スタンフォードブリッジのサポーターは両手を突き上げ快哉をあげた。
前に行くしかないスパーズと疲れが見えてきたチェルシー。徐々にバイタルへの浸透を許すが、先制点のペドロの好守もあり得点を許さない。
すると次第に存在感を増してきたのがエンゴロ・カンテ。誰もが疲労を滲ませる中で無尽蔵のスタミナで中盤を制圧する。
選手交代で流れを変えたいスパーズだったが、ハマったのはむしろチェルシーだった。出場したばかりのジルーがフリック。転がったボールに猛追したウィリアンがキーラン・トリッピアーのミスを誘う。ロリスの脇を抜け枠内に向かうボールにトリッピアーは顔を覆うしかなかった。
試合はこのまま終了。枠内シュートを打たせない会心の堅守で勝ったチェルシーに対しスパーズは連敗、さらに次節にノースロンドンダービーが待ち受ける。優勝は遠ざかり、混沌とするCL権争いに片足を突っ込みかかっている。
選手採点
GK
ウィリー・カバジェロ 6.5
ケパ騒動で揺れる守護神事情を感じさせない堂々とした立ち振る舞いで最後尾からチームを支える。枠内シュートはなかったため見せ場はなかったが、ベテランらしい経験を見せ、ハイボールなどには落ち着いて対応。オフサイドのシーンながら勇敢なブロックも。足元も完璧ではないながら及第点以上のつなぎを見せた。
DF
セサル・アスピリクエタ 6.5
前半はソンフンミン、後半はジョレンテら多様な相手とのデュエルに奮闘。右サイドから積極的にクロスも送り、ペドロの先制点をアシストしたパスのタイミングはドンピシャ。
終盤には競り合いの流れから足をつったかと思いきや黙々と自陣に帰りクリーンシートを遂行。その姿はまさしく「鉄人」
アントニオ・リュディガー 6.0
長いリーチと卓越した身体能力でボールを刈り取る。スピードある攻撃陣にも走り負けないスピードで随所に好カバーを披露し、何度もタッチライン際でクリア。出すぎるシーンもある選手だがこの試合では落ち着いた判断でシュートまで行かせないことを最優先にした大人の守備で対応。
ダビド・ルイス 6.5
狡猾な駆け引きを仕掛けてきたケインに真っ向勝負。気迫で引くことなく、最後は自身も受けたが、イエローを与えさせるほど苛立たせたのは彼の勝ちといっていいだろう。
相変わらず気合が入った時の実力はプレミア屈指。得意のフィードこそ今日は決まらなかったが、果敢なシュートブロックなど本職の守備で躍動。
マルコス・アロンソ 6.0
ここ最近不調でエメルソンにスタメンを譲ったかに思われていたがこの試合では及第点のプレー。確かに足元の技術や個人のスキルは不満を覚えることもあるが、フィジカルの強さや上下動の回数はやはり魅力的。
スピードスターが相手だとやや後手を踏む印象もあるが、ソンの抜けだしに完璧な対応を見せた前半のシーンが象徴するように守備での貢献度は高かった。
MF
ジョルジーニョ 5.5
120分の疲労が抜けきれなかったか。得意の組み立てでもミスが目立ち、奪った後のパスミスや、危険な位置でのロストも散見された。前線への右足もオフサイドの網にかかり、アシストはつかず。
後半からはやや復調し、守備でのリズム作りに貢献。はやるスパーズを鋭い読みでインターセプトする新たな一面を見せ、守備で良さを見せた
エンゴロ・カンテ 7.0
ピッチ上に2人いる、と称されるが実はピッチ外にも2人いるのではないか。数日前に120分戦い抜いた選手とは思えない圧巻の運動量で右サイドを完全に制圧。
奪いきる守備はもちろん、攻撃時でも鋭すぎる切り替えの早さから何度もスパーズ守備陣を翻弄
味方すら追い付けなかったためサポートがなかったが、何度も時間を作り好守に八面六臂の活躍
マテオ・コバチッチ 6.5
卓越したボールスキルは相変わらずで、左サイドでは絶妙のリンクマンに。囲まれても奪われないキープ力や推進力もさることながら、守備でもクリーンなタックルを披露
シュートは相変わらずの宇宙開発だったが、攻撃へのつなぎ役として十二分の出来。
FW
エデン・アザール 5.0
疲労の影響が最も出ていたプレーヤー。得意のドリブルも引っかかるシーンが多く、パスが乱れるシーンも多かった。ペドロの先制点につながったサイドチェンジでやや意地は見せたか。60分の早い段階でウィリアンと交代
ペドロ・ロドリゲス 7.5
前半から好守に躍動。ロリスのパスミスを奪ったシーンが得点につながらなかったのは不運だったが、57分にはこの試合唯一となる枠内シュートをねじ込み、値千金の先制点を奪取。
さらに特筆すべきはエリクセンのシュートを後方から巧みなスライディングで止めたシーンは1点分の活躍といっても過言ではない。紛れもなくMOM
ゴンサロ・イグアイン 6.0
プレゼントボール含め前半のうち2度訪れた決定機のいずれかは決めきりたかったところで、後半は裏抜けからネットを揺らしたがオフサイド。
得点こそなかったがそれでも相手を背負って展開できる強さは見せた。連携と後半途中でスタミナ切れを起こしたコンディションが上がってくれば得点は次第に増えるはず。
途中出場
ウィリアン 6.0
60分からアザールに代わり出場。自身が出場する直前に先制点が決まったこともあり、まずは守備から堅実に入った。得意のドリブル突破やカットインからのシュートはなかったが、その姿勢が報われたのは87分。休まずにプレスをかけ焦りを誘いオウンゴールをゲット。ゴールに吸い込まれたボールを蹴りこむ姿に気持ちが映った
ルベン・ロフタス・チーク 6.0
77分からコバチッチに代わり出場。攻撃面ではそれほど見せ場はなかったが、自陣では懐の深さと体の強さを生かしファールを誘い時間を作った。課題といわれていた守備でも信頼がおけるようになってきたのは大きな成長
オリヴィエ・ジルー -
84分からイグアインに代わり出場。セーフティに方針を変えたチームのロングボールのターゲットに。得意のヘディングで競り勝つと、ボールは転々。トリッピアーの判断ミス、オウンゴールにつながる、影のアシスト。ファーストプレーで大きな働きを見せ、勝利を手繰り寄せる。
監督
マウリシオ・サッリ 7.0
懸念のGK問題に毅然と向き合い、勇気あるカバジェロ起用は結果的にチームのモチベーションをあげることにつながったか。不調のアザールを早々に見切り、その後入ったウィリアンやジルーが追加点に絡むなど采配も的中。
過密日程の2月を完封勝利で乗り切り、解任論も沈静化するはず。ここ最近は内容も伴いつつあり、今後に期待が持てる快勝を導いた。
最後に
いかがだったでしょうか。内紛やタイトル逸など苦しいチーム状況でしたが、むしろこういう時の方が今季のチェルシーはいい試合をしますよね。最初からやれということも言えますが()
3月は比較的下位チームが多いものの今季はそういった相手から得点を奪えない試合も目立ちます。また眠い試合が繰り返される恐れはありますが、何だかんだまた応援するんでしょうね
それではまた
〜おしまい〜
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